ハワイ編

今回はハワイにサーフトリップに出かけた時のエピソードです。

199812月、俺は仕事上で取引のあったある雑誌社の忘年会に招待された。モノ系の雑誌だったのでビンゴにはたくさんの景品が協賛されていた。なかなか揃わないなぁと諦めかけていたら、なんと幸運にも最後に一等のハワイ旅行5日間を当ててしまった。

すでに1999年は仕事を7か月間休む予定だったので5日間ではサーフィンをするのに不十分。担当してくれた旅行会社に相談すると、ホテルなしでよければ好きな期間どうぞ!とのこと。なんとなく2週間と返事をした。

2月中旬、オアフ島に到着した。空港でレンタカーを手配してワイキキビーチへ向かう。この時代ハワイの物価もそれほど高くなく170ドルで1LDKプール付きのコンドミニアムを借りることができた。宿が確保できたのでさっそくサーフポイントを探すことに。ハワイは2度目だけどサーフィンをするのは初めて、まったく予備知識はなかったが冬のハワイといえば雑誌やテレビで有名なノースショア。サイズが大きくなければチャレンジしてみようと車を走らせた。

波とサーファーを見つけてはポイントの名前を聞いてそれがどこなのかを確認した。ビッグウェイブで有名なワイメアベイ、サンセットビーチ、パイプラインと見学した。パイプラインはサイズこそ大きくなかったが、世界中からサーファーが集まってくるのでハイレベルな猛者達でごった返していた。

日本に帰ったらパイプラインでサーフしたぜ!と言ってみたかったが、波に乗れる可能性は極めて低そうなのであきらめた。パイプラインの近くにロッキーポイントというポイントがあると友人から聞いていたので移動すると、頭サイズの波が綺麗にブレイクしていた。しかも海にはたった3人しか入っていない。鼻息を荒くしてすぐに着替えてラインナップに向かった。

冬のハワイの海は思ったよりも冷たかった。波はレフトの波が中心だが、ライトの波も入ってくる。しかもロングライドできる良い波だった。1時間ほど楽しんだ頃、突然沖の方から山のような大きな波が目に入った。波がブレイクする前に交わそうと必死に沖に向かうも間に合わず、その巨大な波は落雷のような大きな音を立てて目の前でブレイクした。

経験した事がない程、激しく波に巻かれた。その後、海は一気に狂暴化した。ノースショアの波の凄さをわからされた。そして、すぐに退散することにした。

それから数日後、ワイキキのショッピングセンターを歩いていると、現地の旅行会社でカウアイ島7日間ホテルとレンタカー付で格安パッケージというチラシが目に入った。窓口のスタッフに聞いてみると翌日に空席があるとの事だった。さっそく申し込んだ。

カウアイ島は田舎のノンビリとした島ですぐに気に入ってしまった。サーフポイントはオアフ島と同じで冬は北側のポイントが適しているのだが南側もフラットという訳ではなかった。

ポイプというポイントがあり、頭くらいのちょうど良いサイズの波がブレイクしていた。北側にはハナレイベイをはじめいくつかのポイントが点在する。どこのポイントも混雑はなく快適だった。 北部のハナレイベイはポイントが3か所あって、ピアのある場所はサイズも波質もファンブレイクだった。

しかし、道路から300mほど沖に見える波は岸から見ると小さくファンブレイクに見えるのだが15分ほどかけてラインナップに到着すると想像を超えたデカさ、まるでビデオで見るような波だった。

ここのローカル達はこんなデカい波を仕事前に楽しんでいる。彼らのスケール感の凄さを感じざるを得なかった。俺も小さめの波に頑張って乗る事ができた。どこの国でも同じだが一人で海に入っていると必ず声を掛けてもらえる。一期一会だがサーフトリップって良いなぁとつくづく思う時間である。スマホもない時代、ガイドブックも読まず予備知識もなく、なんとなく訪れたカウアイ島は最高の旅となった。

アフターサーフ

カウアイ島にはワイメアキャニオンという渓谷があって、とにかく景色が素晴らしい。太平洋でもっとも降水量が多い場所らしく俺が行った時もいつも雨雲が掛かっていた。しかし雨かと思えば数分後に雲の隙間から神々しく日が差し込み渓谷を照らす。

目まぐるしく景色が変わるのがとにかく神秘的だった。一週間、毎日この場所に通った。

ハワイと言えばオアフ島が有名だが、機会があったらまたほかの島にも行ってみたいと思う。

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