Pura Vida

コスタリカのどこに行っても耳にするこの言葉は、直訳すれば “Pure Life”。
けれど実際はもっと広い意味を持っていて、自然への感謝、肩の力を抜いていこう、前向きに幸せに生きよう―そんな想いが詰まったフレーズだ。
サーファー同士の挨拶としても、当たり前のように交わされていた。
(LAは空港からこれだから気分もアップ)
2026年5月、俺は友人3人を誘ってゴールデンウィークを使ってコスタリカへ向かった。
ロサンゼルス経由でサンホセ空港へ。LCCで経費を抑えたので、家を出てから到着まで約30時間以上の長旅だった。LCCは機内モニターも機内食もなく、無料手荷物は7kgまで。
南国だしと割り切って、バックパックには海パン2枚、Tシャツ3枚、日焼け止め、洗面用具とファーストエイドそしてバスタオル。サーフボードはオーバーチャージが高いので現地の友人フェリッペに借りることにしてした。最近は海外トリップで自分のボードにこだわらずにレンタルボードを借りるケースが多くなってきた。
(ガルウィングのタクシーもさすがLA)
深夜、サンホセ空港を出ると、フェリッペが迎えに来てくれていた。彼とは2年前に俺の働く会社で出店しているDbショップで出会ってから、かなり高頻度で一緒にサーフトリップやスノーボードを楽しんでいる。サーフカメラマンでトラベラー、27歳なのに世界37か国を旅している。俺と年齢が30ほど離れているせいか、彼にとって俺は“UNCLE”のような存在らしい。
俺たちは韓国製の大型バン(Staria)をレンタルした。この日は空港近くにあるフェリッペの父親のマンションに泊めさせてもらった。
(4WD と広さも快適、エスティマに似ていた)
翌朝、サンホセの町を出て2時間半。コスタリカのサーフタウン・ハコーへ向かう。
ここで友人たちがサーフボードをレンタル。ローカルブランドで1週間160ドル(約25,600円)。
自分のボードを持っていけば往復4万円以上、パッキングの手間も考えると、レンタルは安くて楽だ。ボードを手にした3人は、ハコーから20分ほどのヘルモサビーチで1ラウンド。
固い砂底とパンチの効いたビーチブレイクで知られる場所で、日本で言えば新島のような波質だ。この日は速い波で少し手強そう。俺とフェリッペはボードがないので、岸から彼らのライドを見守っていた。
(パンチの強いヘルモサビーチ)
皆が海から上がると、さらに東へ3時間。フェリッペの家があるウビダという町に到着した。
彼の家の敷地はとにかく広い。レストランがあり、今は使われていないがセスナの滑走路まである。そしてなんと広大な敷地のどこかにはプーマの親子が住んでいるという。
フェリッペは顔もかっこよく、サーフィンも上手く、性格も優しくてそのうえスーパーセレブ。もう何も言えねぇ。
(見渡す限りフェリッペファミリーの土地)
(フェリッペ、鴨川にて)
コスタリカ3日目の早朝。
フェリッペと彼の親友アンソニーも合流し、秘蔵のポイント・マタパロへ向かった。ここはゴルフィート湾の突端にあるライトブレイク。湾の反対側には、ペルーのチカマに次ぐ世界2位のロングレフト(800m)で知られるパボネスがある。パボネスからさらに東へ20km行けば運河で有名な国パナマがある。ロングレフトのパボネスに対し、マタパロはライト。ここも大きなうねりが入ると500m以上のロングウォールになるという。
(ゴルフォート湾の景観)
4時間ほどかけてマタパロに着くとジャングルはさらに色濃く秘境のシークレットポイントといった感じだ。サル、イグアナ、空にはピンク色の大きなオウムが飛び交う野生の地。舗装されていないガタガタ道をしばらく走り抜けてポイントに着くと、肩サイズのメローなライトが規則正しく割れていた。急ぐ気持ちを抑えて海パンに着替え、ラインナップへパドルしていく。
長旅の疲れを吹き飛ばす快適な水温と、大自然に包まれたロケーション。目の前のうねりにテイクオフすると、100mは乗れる素直な波。日本から来た友人たちも最高の笑顔で楽しんでいる。ひとことで言うと「ジャングルの鼓動と太平洋のうねりが体を突き抜けていくような感覚だった。」この日は2ラウンドのサーフィンをして夜はジャングルの中のホテルに泊まり、翌朝も波に乗った。マタパロには大きく3つのセクションがある。パンドゥルセとメインブレイクでサーフした。メインは頭半以上あり、パワフルな波だった。
(色鮮やかな毒ガエル)
マタパロからウビダへ戻ってからは、帰国までフェリッペの地元のウビダとドミニカルを中心にサーフした。どちらもビーチブレイクで、タイドによって波質が変わるが、午前中を中心に良い波に恵まれた。ウビダはWhale Taleの砂州と呼ばれる地形があって、干潮時には鯨の尾のような砂州が現れる場所で幻想的な景観だ。ある夕方、ウビダでサーフして俺が先にビーチに上がって待っていると、フェリッペが海から戻ってきて「ワニが海に出たので上がってきた」とつぶやいた。「Very Costa Rican、よくあることなんだよ」と笑う彼を見て、数年前スリランカのアルガンベイでワニ騒ぎがあったことを思い出した。南国の海で危険なのは、サメやオコゼだけじゃない!コスタリカにはワニがたくさんいるらしい。
(日本の熊よりも頻発する入江ワニ)
(イグアナは臆病で近づくと逃げてしまう)
そしてウビダにはA-FrameのTシャツを販売してくれているお店もあるのだ!スリランカでA-Frame Surf Shopを作ってからいつかコスタリカで商品を展開したいという俺の長年の夢をフェリッペが地元のサーフショップに話してくれて実現してくれたのだった。
(A-Frameは徐々にアイテムを増やしていく計画)
食事は毎朝フレッシュなスムージー(マンゴー、パパイヤ、バナナ)。
ローカルフードはライス、黒豆、バナナ、サルサソースのサラダ、白身魚のマリネ、パクチーなどが定番。もちろんパスタやハンバーガー、メキシカンタコスのようなウェスタンフードもある。最近コレステロールを気にしている俺には、ローカルフードのヘルシーさがとても良かった。
(ヘルシーな食事が多い)
(フルーツボウルも)
(焼きバナナが特徴的だった)
レンタカーを借りるなら、コスタリカでは必ず4WDを選んだ方がいい。俺が初めてコスタリカを訪れた25年前より道路事情は格段に良くなったが、サーフポイントはまだまだ未開の地にあることが多い。ハイラックスやランドクルーザーのような車が間違いなくおすすめだ。
今回は最大6人+サーフボード6枚だったので大型バンを借りたが、マタパロのダートロードではなんどもボディを擦りそうになり慎重な運転を求められた。
日本から簡単に行ける場所ではないが、コスタリカには東西に渡ってたくさんのサーフポイントがある。西にはタマリンド、ウィッチーズロック、プラヤネグラ、東にはパボネス、マタパロをはじめ本当にたくさんのサーフポイントがある。しかもその多くがサンドボトムというのも面白い。そして国土の1/4が国立公園や保護区という自然を最優先している国だ。98%が再生可能なエネルギーを使い、カーボンニュートラル国家を目指す政策の先駆けだ。俺はこういった理念を国策の中心に持ってきているスリランカとコスタリカが特に好きだ。表題のPura Vidaという言葉はエコツーリズムの精神そのものを体現しているのだ。
(滞在中に4か所の滝巡りをした)
(南国では竹もよく育つ)
Puravita Cap