Under the same sun 1

2023年8月、仲間を募ってモルジブボートトリップへ出掛けた。 

モルジブの波はリーフブレイクにしては乗り易く中級者以上であればみんなが楽しめる波。 

8月10日、成田からスリランカ航空にて仲間3人とコロンボ空港に到着するとそこからHikkaduwaへ向かった。飛行機が7時間もディレイしたおかげでHikkaduwaに到着したのは深夜2時だった。それでもスリランカで家族同然の仲間たちは眠らずに待っていてくれた。ついてすぐに宴が始まり床についたのは朝の7時だった。日本の夏にあたるこの時期、南西部はモンスーンの最中でサイドからの風が吹き続けていて海面も少し荒れていた。4時間ほど睡眠をとり再びコロンボ空港へ向かった。 

 

11日19:00、マーレ空港に降りた。 

空港のMeeting Point、ここが今回の集合場所だ。スリランカを経由した俺たち+東京、名古屋、宮崎から5名が加わり総勢9名(男6,女3)スリランカ経由、シンガポール経由。午前中に到着した人など到着はみなバラバラだ。メンバーが揃ったところでプラカードを掲げたクルーとも合流、背がでかくお腹が出っ張ったモルジブ人はまるでシュレック、どうやらメインシェフのようで、「俺の作るモルジブ料理をたっぷり堪能してくれ!」と精一杯の笑顔で愛嬌たっぷりだ。 

 

Photo:マーレ空港

彼のエスコートで空港からドーニと呼ばれる小船に乗り30分ほどかけてメインのボートに向かったみん海上での生活はじまりワクワクしている 

 

Photo:宿泊するボート

のボートにはキャプテンをはじめ食事、掃除、メカニックなど8名のクルーが同乗している。ウェルカムドリンクを飲んだあとサーフボードの梱包をほどき、フィンのセッティングを済ませるさらに気分が高揚した。

 

Photo:ボートの最後尾にあるダイニング

翌朝6時、停泊していた場所から錨を上げ船が動き出す。まずは1時間ほどのところにあるJail Pointへ。人も少なかったので入ることにした。波は肩~頭で早めのブレイクだ。 

 

モルジブのサーフポイントは島の端にあるパス(環礁沿って波がブレイクするので規則的なマシーンブレイクとなるのだが潮の動きによっては強いカレントが発生する。この時間を見きわめられないと永遠とパドリングを強いられることに。俺たちは初日からこの洗礼を受けることになり、入っている間はずっとパドリングをし続けることになった。 

 

Photo:空からみたモルジブの島々

テイクオフするとガラスのように透けた波に感動する。そしてリーフブレイク特有のボトムにパワーのある波。比較的水深もありリーフブレイクに慣れていない人でも乗りやすい波だ。 

Jailは特にウネリの向き次第でブレイクが変化する。このときは少し早めの波で平均50mくらいの距離が乗れる波だった。 

この日と翌日をJail Pointで過ごし、3日目の朝、隣の島のパスでブレイクするSultansでサーフした。波は3~4ft、モルジブでも特に人気のポイントということもあって50人ちかいサーファーで賑わっていた。ピークは数か所あるので集中していれば波には乗れる。乗れば100mくらいの素晴らしい波だった。その日の夕方はSultansの反対側にあるHonkeysというレフトのポイントでサーフした。このポイントはうねりがパスのカーブするところでダブルアップしてくる。頭サイズでテイクオフしても突然ダブル近いウォールが出現するのだ。すこしビックリするがダウンザラインをキープしていれば抜けられるので慌てないことだ。面は少し荒れていてたくさん巻かれたがこの旅で唯一のバックサイドの波を堪能した。 

波がコンスタントにブレイクするこの北マーレのエリアはどこのポイントもたいがい数隻のボートとバッティングする。ボートが一艇いればそこには10人前後のサーファーが乗っている。それ以外にも近くのリゾートからドーニに乗ってアクセスするサーファーもいるのでどうしても波の取り合いが生じてしまう。人気の高いSultansでは怒号が飛びあうこともしばしばある。そういうサーフィンを俺たちは望んでいない。フォーキャストを見る限りこのエリアには波が続きそうだったのでキャプテンに南マーレに移動することを希望した。翌朝、北マーレから4時間弱で南マーレにあるRiptideというポイントに到着した。レギュラーのポイントでサイズは胸~肩くらいと小さいがマシーンブレイクで何より無人、みなで貸切りのパーティーウェーブを楽しんだ。 

 

Photo:水平線サンセット

この日から最終日までRiptideでサーフすることにした。翌日、朝は別のボートがいたので少し時間をずらして入ることにした。それが功を奏したのか彼らが上がると同時に潮が動き出し、あまり経験したことのないような極上の3~4ftの波が入り始めた。皆がとにかく最高って言葉を口にしていたのが印象的だった。 

 

 Photo:3~4ftの極上の波

リップタイドは島と島の間にあるサンゴ礁が隆起した場所でブレイクするポイントだ。残念ながら温暖化の影響かサンゴはすべて白化してしまっていテイクオフはタイミングが合わせやすく5070mほどの距離が乗れる。モルジブにしては決して長い波ではないがパワーとブレイクの速さはとても乗り易い。近くには他にもQuartersTwinn Peaksほかにも56か所のポイントがあるがこの時はRiptideのコンディションが特によかった 

 

 Photo:タイドによって波質が変化する

ボートトリップの醍醐味はサーフィンだけではない。サーフィン以外の時間はほとんどと言っていいほど釣りをしていた。今回は釣り竿を2本持ってきた。一本はシンプルに重りと針、餌は小麦粉を練ったものや魚の切り身だ。そして、もう一本はルアーやエギ用だ。今回はルアーではヒットがなかったが餌釣りのほうは毎日大物が掛かった。魚のパワーがありすぎて半分くらいはラインが切れてしまう。ハタ、ツバメ魚、カサゴ、鯛、カワハギやサメまで色々な魚が釣れる。ほとんどの獲物は刺身やから揚げになって食卓に並んでいた。釣った魚を上げる途中でサメに食べられてしまうなんていう恐ろしい事もあった。 

 

6日間がもの凄い早さで過ぎ、いよいよ帰る日の前日となってしまった。朝のサーフィンが終わるとボートは錨を上げ空港のある北マーレへと向かう。夕方にJailSultansのあるHimmafushiエリアに到着した。 

僕らのフライトは15時だったので早朝に一ラウンドできる時間がある。朝6時にドーニでSultansへと向かう。3人しか海に入っていなかったので波を確認せずにドーニから海に飛び込んだ。ブレイクすると思われるラインで波待ちしていると遥か沖から山のようなセットがメラメラとやってきた。必死で沖にパドリングするも間に合わず目の前でブレイクしてしまった。ボードを離すまいとだきかかえた状態でグルングルンと水中で縦に4~5回転した。 

何度も巨大なセットに巻かれたがテイクオフできそうなポジションを見つけて数本乗ることができた。使用していたボードが5‘7短くギリギリのテイクオフだった。 

 

 Photo:最終日にやってきた波

そして8時に海から上がるとパッキングを済ませ、マーレ空港へと向かった。僕らの身の回りのお世話をしてくれたクルー達には感謝しかない。今回はモルジブ人のシェフを筆頭にバングラデッシュからも二人出稼ぎに来ていた20代前半の青年もいた。7日間を共にした友人達とクルー、このメンバーでの船旅は最初で最後だと思うと旅情に胸が熱くなった。 

 

スリランカへの旅とつづく 

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