11月9日
2週間前にDbのセールスミーティングでノルウェーを訪れた。その帰りにポルトガルのエリセイラに立ち寄ることにした。エリセイラにした理由は、昨年に原宿のDb Shopでフェリッペという青年と知り合った。カメラマンでサーフィンが好き、そして出身がコスタリカだという。大事なカメラを収納するのにDbを見に来てくれたのだった。俺は過去3回訪れた事のある自然と波が豊富なコスタリカが大好きで、その国名を聞いてすぐに反応してしまった。
それを機に仲良くなり、彼が帰国するまで毎週海や雪山に一緒に行くようになった。そのフェリッペが1か月間ほどポルトガルのエリセイラに滞在しているから遊びに来ないかと誘ってくれたのが今回だった。3泊と短い時間だが大西洋でサーフィンできることにとてもワクワクしていた。
(注Db:ノルウェーのバッグブランド。筆者が代表を務めるRCTジャパンが国内総販売代理店)

無事に出張を終わらせて、夕方にポルトガルのリスボン空港に到着すると少し日焼けしたフェリッペが迎えに来てくれていた。俺たちはレンタカーを借りて空港を出発した。
今回の旅はDb担当の山内とフェリッペの3人、だが運転できるのは国際免許を取得した俺だけ。久しぶりの左ハンドルにすこし緊張しながらの運転だった。40分ほどで目的地のエリセイラに到着。
さっそく現地の58というサーフショップでサーフボードをレンタルした。今回借りたのはAlmerickのRocket Wide5‘6の27ℓモデル、これは自分が日本で使っているMayhemのボードとほぼ同じスペックだ。ボードを借りた後はフェリッペお勧めのレストランへ出向いた。大西洋でとれたエビや魚料理は最高だった。

翌朝、朝日で目を覚ますと、エリセイラのメインポイントをチェックしに行く。波は炸裂していてダブルくらい。サイズが上がって大喜びのフェリッペ、内心そんなに大きくなくても良いんだけどなぁと思いつつ、ウェットに着替えてパドルアウトした。波は大きく面も少しラフでパワフル。セットに巻かれるとボードは吹っ飛び、数十秒は息が吸えない。それでも頑張って4本ほどテイクオフした。しかし、あまり波も良くないのでフェリッペに一度上がろうと促した。
一休みして町から20分ほどドライブしたところにあるCoxosポイントをチェック。崖の上から見る波は見事なパーフェクトスウェルで人も少ない。これは入らないと後悔すると思い、ウェットに着替えてパドルアウトした。ラインナップに着くとダブルくらいある。ピークには長板で攻めているローカルが数名いた。俺は遠慮気味にショルダーで構えていた。1時間半で4本のテイクオフ、フェリッペはピークから果敢にテイクオフを繰り返している。途中リーシュが切れて泳いでいるサーファーを目のあたりにして少し怖くなってしまった。リーフに囲まれているので上陸できる場所はピンスポット、そしてbay地形なので強烈なカレントが発生している。助けることはできずに見守る事しかできなかった。潮が満潮になると上がるところが無くなってしまうと聞いた。後で泳いでいたサーファーも無事に上陸していたのでほっとした。この日はサイズのある波に8本テイクオフできたので、とりあえず良しとしよう。
ポルトガル3日目
たった二日間しかサーフィンができないスケジュールなのだが、初日にデカい波を2ラウンドもやったので、朝起きた時には体がすこし重かった。フェリッペにペニーシェをチェックしに行こうと促した。ペニーシェには2005年にも行ったことがあった。
(エピソードはこちら ポルトガル編 )
このエリアにはたくさんのポイントがあるのだがその中でもSuperTubosというポイントが良かった記憶があった。以前はWSLが行われていたこともあり、コンディションが整うとチューブになるのが特徴。フェリッペは俺の提案に快諾してくれた。エリセイラからは高速でも行けるのだが、途中のポイントもチェックしたかったので2時間ほどかけてペニーシェに到着した。メインのビーチブレイクでは大会が行われていてとても盛り上がっていた。
そして念願のSuperTubosに着くと、波は肩前後でパーフェクトなファンウェイブだ。俺たちはさっそくウェットに着替えてビーチに向かった。およそ300mのビーチのあちらこちらにサンドバーが形成されていて良い波がブレイクしている。はやる興奮を押させて空いているピークを見つけた。4時間ほどノンストップでたくさんの波にテイクオフした。力のある最高の波に俺たち3人は思い思いのライディングを楽しんだ。入る前に塗っていた日焼け止めはすっかり落ちて顔がヒリヒリした。俺たちは海からあがるやいなや最高の笑顔でハイタッチを交わした。
帰りは高速道路に乗り40分ほどでエリセイラの町に戻ると初日に行ったレストランで再びアヒージョやエビ料理などを食べた。食後はDJ barに行き、夜中近くまでお酒を飲んだ。Barにはヨーロッパ中からたくさんの人たちが来ていて、とてもフレンドリーだった。
フェリッペは、一緒にサーフィンができたことをとても喜んでくれた。
4日目の朝、出発前にエリセイラの海の前でA-FrameのTシャツの撮影をした。モデルはフェリッペ、顔も性格もサーフィンも上手い。天は二物を与えた!と不満をぶつけると、はにかんだ笑顔で返してくる始末だ。
現在、A-FrameのInstagramの写真もずいぶんとポストしてくれている。フェリッペはA-Frameの大切なCrewとして活躍してくれている。年末にはまた、日本に遊びに来るというからSnowや海へまた一緒に行こうと思う。

